こんにちは,M2の村上です.
春ですね(もう夏?).
あと1年で,修士論文を書いて,卒業です.
研究は,高橋研ではよく,探究的な学習の過程をイメージして進めます.
ゼミのレジュメを切る際も,課題は何か,そのためにどのような情報を収集したのか,整理・分析は適切か(生データすぎると,「きちんと整理・分析せい」と叱られます.加工データすぎでもNGです),そして,自分の考えをきちんと伝えられるように,プレゼンを作ったり,発表練習なんかをしたりして,ゼミに臨みます.
ゼミは週に1度なので小さな探究のループですが,卒業論文や,修士論文では,もっと大きなループになります.1つのことをずっと探究するって難しいなと,研究(探究)の奥深さを感じます.
そんな探究に関して,私が学部のときからお世話になっている本がこちらです.
後藤芳文,伊藤史織,登本洋子(2014) 学びの技 14歳からの探究・論文・プレゼンテーション.玉川大学出版部.
もう5年以上の付き合いになります,『学びの技』ですが,これは中学3年生を対象にした授業が元になった本です.だから,「14歳からの」となっています.しかし,中身は,大学生になっても,大人になっても,非常に有益な情報が詰まっていると考えます.私にとっては,「20歳からの」でした.
例えば,「周辺知識の見つけ方」というトピックでは,「ブラウジング」という読み方が紹介されています.
ブラウジングとは,多様な資料をパラパラと読みながら,概要を掴んでいくという読み方のことをいいます.
いざ,研究を進めるぞと,高いモチベーションで本や論文にあたっても,読んでいる間にだんだん“ダレて”くることがよくあります.
本書では,「ブラウジング」のコツとして,例えば,斜め読み(スキニング)やキーワードの拾い読み(スキャニング)などが紹介されています.
どれだけモチベーションが高くても,それを維持したまま読むことには限界がありますが,周辺知識を集めるのに必要な本や論文の数は,2冊や3冊では足りません.こうした「読み方」を知っていれば,過去の挫折のいくつかはなかったかも・・・.
最後に,繰り返しですが,研究・探究にはステップがあります.
課題の設定のステップで,情報の収集のステップで・・・,つまずいたときに,傍にあると大変に心強い一冊です.
お読みくださり,ありがとうございました.