学校プリンター活用実践研究会

 学校では,児童生徒が手を動かし,ワークシートを使って学習を進める場面が数多くあります.また,学級通信など,多くのプリントを配布します.

 その一方で,校内で印刷できる場所は限られています.例えば,配布したいワークシートに不足があったり,連絡帳のコピーが必要となったりしても,教室から離れた職員室や印刷室に行く必要があります.その間に教室で何かが起こるかも知れません.

 普通教室内で必要に応じて臨機応変に自由に印刷ができれば,一層の学習効果を得たり,教員の業務改善の一助になったりする可能性があります.

 また,将来すべての児童生徒が1人1台PCを活用することになると考えられますが,それによって学習活動がペーパーレスになるのか,一層,プリントが必要となるのかも明らかになっていません.少なくともスキャナは必要であるかもしれません.いずれにしても,効率的で,学習効果の高い学習法や指導法を明らかにしていく必要があると考えています.

 そこで,本研究では,普通教室に,プリンター,コピー,スキャナ機能を持つ複合機を常設し,教員が自由に活用する事による変化や効果を明らかにします.

【目的】
普通教室に複合機を常設した際の学習指導など変化や効果を明らかにする.
1) 学習指導・学級経営 ―学習指導・学級経営がどのように変化し,効果が得られるか
2) 教員の業務改善 -印刷作業がどのように変化し,効果が得られるか
3) 導入への費用対効果 -効果と費用は見合うか

【体制】
代表:東京学芸大学 高橋 純
   常葉大学 佐藤和紀
実践校:
   春日井市立出川小学校
   広島市立藤の木小学校
   京都教育大学附属桃山小学校
   札幌市立琴似中央小学校
   渋谷区立広尾小学校
   静岡市立長田西小学校
   逗子市立沼間小学校
   さいたま市立北浦和小学校
   東京学芸大学附属小金井中学校
事務局:エプソン販売株式会社

【背景】
 プリント1枚あたりの単価がとても安くなりました.枚数によっては,印刷機を使うよりも安かったり,教室から移動する時間をコストとみなせば安上がりであるとも考えられます.また,印刷だけではなく,コピーやスキャナ機能もあります.従来のプリンタとはイメージが変わりました.

 各地で普通教室向けに可動式の学習者用コンピュータの整備が進んでいます.ただ,コンピュータ室のPCを置き換えたイメージで,1セット分しかないことが多いようです.共用であることから,たまにPCを使って学習することにハードルがあるように感じています.そこで,教室にプリンタがあれば,印刷ができ,それをノートに貼るなどすれば,普段のノートを使った学習との接続になるのではと思います.

 学習者用コンピュータがない場合でも,教室にコピー機だけでもあれば,様々な場面で応用が可能だと思います.例えば,子供のノートを印刷して掲示するとか,先生のお手本をコピーするとか,資料をコピーするとか,授業の流れに応じて臨機応変に対応できます.

 将来的には,スキャナがよく使われるかも知れません.子供のテストなどをスキャナで読み取って蓄積・採点・分析するなどです.すでに中国などでは実用化されていると聞いています.

 ペーパーレスの時代に何をというか,かもしれませんが,ペーパーレスというのはPCがオフィスに導入されて,気楽に印刷できるので,どんどん印刷してしまう話だと思っています.まだ,多くの教室にはPCも,プリンタもありませんから,ペーパーレスが必要な状態になっていないのではとすら思っています.

 教室にプリンターを置いたとき,どのような問題が起こるのか,コストはいかがか,効果以外にも様々な問題があるかもしれません.それらも明らかにしていきたい思っています.

 長年,学習指導におけるICT活用を研究してきました.特に,多くの先生方にICTの便利さを知って欲しいと思い,地に足が着いた研究活動を目指してきました.未来と現実の接続点に,このプリンタの常設があるのではと感じ,本プロジェクトを立ち上げた次第です.